essay
エッセイ
全英レポート
全英選手権は世界でもっとも権威のある大会であることは、やはりその歴史、そして語り継がれるカリスマの存在が人々の記憶に鮮明に残り、伝統を作り上げているからに他ありません。全英はボールルームダンスの「聖地」であり、ダンサーとしての夢なのです。そして今年もこの「聖地」に世界各地より優れたダンサーたちが集まり、伝統あるウィンターガーデンのエンプレスボールルームで世界最高峰の技が競われました。
大会前半はプロ、アマのライジングスター、シニア、21歳以下、チームマッチなどのイベントが開催され、後半に入ってフォーメーションやエキジビションコンペなどとともにアマチュアラテン、プロラテン、アマチュアボールルーム、そして最終日、千秋楽のプロボールルームと、毎夜遅くまで大会は盛り上がっていくのです。
日本人カップルにとってプロライジングスター部門は世界への登竜門としての意義深い大会です。5月27日(金)。大会初日のプロライジングスターラテンでは織田慶治・渡辺理子カップルが見事ファイナル(7位)に進出し、瀬古薫希・瀬古知愛カップルもセミファイナルに駒を進めました。織田組は大会2日目の土曜日、インビテーション国際チームマッチでもオーストラリア、アジアの連合チームの一員として大いにその存在をアピールしていました。
翌週月曜日のプロライジングスターボールルームは橋本 剛・恩田恵子カップルがセミファナルに進出もファイナルに一歩及ばず。しかも他の日本人カップルはベスト24に進めないというかなり悲惨な状態に終わってしまいました。「モダン王国日本」と言われた時代は過去のものなのか、次の次代を担う若手の成長が著しく遅れている現状は真摯に受け止め、積極的な対策を実行しなければなりません。
5月31日(月)。大会が後半に入った途端に競技会のムードは一変。アマチュアラテンのレベルの高さは毎年のことですが、今年も世界トップのアマチュアダンサーたちが若さにパワー、スピードが全開!そしてセクシーさも加わり、エンプレスボールルームは若いエネルギーで充満。最後まですばらしいダンスで会場を沸かせました。
翌水曜日プロラテンの日は伝統的に男性審査員はすべて白のジャケットを着て登場します。今年の男性ジャッジのドニー・バーンズ氏、ジョージ・コード氏、ピーター・イグルトン氏、アラン・フレッチャー氏、ポール・キリック氏、そしてリチャード・ポーター氏は全員白のジャケットで統一。それに色を添えるようにアン・グリーブ氏、バーバラ・グローバー氏、ニコラ・ノーディン氏、デニース・ウィーバース氏そして我妻、アデールの女性ジャッジは華やかな赤やオレンジのドレスで大会の雰囲気を更に盛り上げていました。
全英の覇者マイケル・マリトウスキー&ジョアン(ポーランド)対世界選手権覇者のリカルド・コッキ&ユリア(USA)のバトルが炸裂し、3次予選に彼らが登場するなり一気にヒートアップ。両サイドに分かれて自身のベストダンスを披露するや、オーディエンスは大声援を送っていました。勝敗は先の世界選手権での勝者リカルド組にプレッシャーがあったのか、かなりハードに踊ってしまった印象で、リラックスして最高のパフォーマンスを披露したマイケル組に軍配が上がり、全種目1位の完全優勝を達成しました。
フランコ&オクサナカップルは残念ながら大会前にカップル解消し欠場。一方の3位争いを繰り広げていたセルゲイ&メリア組は最近の絶好調を維持し、上位2組に肉薄するすばらしいダンスで猛追しています。以下は4位スクフカ&メリンダ組(スロベニア)、5位ステファノ&オルガ(イタリア)6位マウリッツィオ&アンドラ組(カナダ)と続きました。
日本勢は織田組のRとJの2種目で24へ、瀬古組が48に進出するのが精一杯。
アマチュアボールルームもハイレベルな戦いが繰り広げられましたが、やはり一時のイタリアやロシアなどの強豪国からのエントリーが減少しているのは事実で、その意味ではやや寂しい感じを否定することはできません。
最終日の6月1日(金)はプロボールルーム。王者アルナス&カチューシャ(USA)対ミルコ&エディータ(イタリア)の頂上決戦は今回もアルナス組に勝利の女神が微笑みました。リラックスした伸びやかなダンスはエレガントさにパワーフルさも加わり、全種目1位の完全優勝を達成しました。一方のミルコ組は私の目には予選ラウンドでは「今日の勝者」と思わせるすばらしいダンスで観衆を魅了していました。この全英では持ち前のタンゴの切れ味もさることながら、ワルツの美しいフットワークが滑らかなスウィングがさらに魅力あるものにしていました。最後のファイナルでは徐々に上半身がタイトになって来たのが惜しまれます。しかしこの2組のバトルはまだまだ続いていくことでしょう。
以下は3位ヴィクター・ファン&アナ(USA)、4位サーシャ・カラベイ組(ドイツ)、5位ドーメン・クラペツ&モニカ組(スロベニア)、6位ヴァレリオ組(ロシア)、7位ウォレン・ボイス組(英国)、8位アンジェロウ&アレッシア組(イタリア)と続きました。
日本は橋本組がW、F、Tの3種目で5次予選(24)に進出し、庄司浩太・名美組は残念ながら48止まりでした。 ボールルームもラテンも依然エントリー数だけが「世界一」ではなんとも情けないのではないでしょうか。
世界に通用する選手の育成もジュブナイル、ジュニアでは始まり、現実にすばらしい成果を見せていますが、近い将来各年代でも同じような勢いが見れることを期待したいものです!
全英プロモダン
優勝 アルナス組(アメリカ)1111
2位 ミルコ組(イタリア)2222
3位 ビクター組(アメリカ)3333
4位 カラベイ組(ドイツ)5454
5位 ドーメン組(スロベニア)4645
6位 ヴァレリオ組(ロシア)6576
7位 ボイス組(イギリス)7787
8位 アンジェロウ組(イタリア)--6-
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アルナス組王者のダンスで連覇達成です。ファイナルで着用のドレスが重く見え、リズムダンスではやや不利か?と思うこともありましたが、結果は全種目1位の完全優勝。
ミルコ組との直接対決に会場は大いに沸き、リズムダンスのタンゴでは会場は音楽に合わせ、拍手が鳴り止まず!ファイナリストたちのエネルギーレベルも最高潮!最後のクイックでも全選手の最高のダンスで感動の瞬間で今年の全英選手権を締めくくりました!
個人的にはミルコ組のワルツの出来がすばらしく見えました。が、種目ごとに徐々にタイトに見え始めたのが2位に甘んじる結果になったのではないでしょうか。かなりの接戦であったことは間違いないでしょう!
3位争い。接戦を制してドイツのサーシャ・カラベイ組がスロベニアのドーメン・クラペツ組を1ポイント差で3位の座に。ドーメン組のFが6位であったのが敗因。直線的なダンスがやや不利に働いた感じです。
バレリオ組は初の世界オープンクラスで初のファイナル入り!今後の発展が楽しみです。
ボイス組も長身を生かした大きなダンスでしぶとくファイナル入り。しかし、上半身の固さや足元の不自然さがやや気になるのがマークダウンの理由でしょう。
アンジェロウ&アレッシアがタンゴでフィナル入り!徐々に彼女のすばらしさが見えて来ています。今後のブレイクがあるかも?!
日本人は橋本 剛・恩田恵子組がW/F/Tの3種目で5次予選、庄司浩太・名美組は4次予選に進出です。
全英プロラテン
優勝 マリトウスキー組 (11111)
2位 リカルド組 (22222)
3位 セルゲイ組 (33333)
4位 スクフカ組 (44444)
5位 ステファノ組 (56556)
6位 マウリッツィオ組 (65665)
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先月の世界選手権の雪辱を晴らし、マリトウスキー組完全優勝でこの大会の連覇を伸ばしました!!!
2位のリカルド組はチャンピオンのプレッシャーからかやや力みが見えたのが残念。
3位はセルゲイ組。ここのところ急成長を遂げてトップ2組に猛追してます!すばらしい!!!
4位のスクフカ組は男性がすばらしい。パートナーのメリンダはやや力不足か?!
5位 ディ・フィリッポ組は良さを存分に出し、見事ファイナルへ!最後はスタミナ切れか、ややラフに。
6位 マウリッツィオ組も勝負強くファイナルへ。カップルとしてよい雰囲気になってきてます!
日本からは織田慶治・渡辺理子カップルがR/Jの2種目で24へ、瀬古薫希・瀬古知愛カップルが48。日本の他のファイナルクラスは第1シードの出てくる3次予選に勝ちのこるのが精一杯?!
世界のレベルが上がってるのではなく、世界の24に残るような選手の層が厚いのが現状。その壁をどうぶち破るかが課題なのです!!!
それはいつの時代も同じだったのですよ。普段から必至に食らい付いていく姿勢がなければ、自身のレベルはあがっては行きません。おまけに、肝心なときに相手にしてもらえないのですよ。それではまともに評価される対象になりえません!
選手諸君!現実をしっかり見据えて、悔しさをバネにして、行動に移してください!
全英プロライジングスターモダン
1 Marat Gimaev - Alina Basiouk Usa![]()
2 Andrea Faraci - Iveta Pauryte Usa
3 Alexandr Voskalchuk - Veronika Egorova England
4 Anton Koukareko - Elena Koukareko Usa
5 Andrey Begunov - Anna Demidova Usa
6 Kristjan Kuusk - Anri Kokkonen Finland
Last 12
12 Richard Tonizzo - Claire Hansen Canada
12 Craig Shaw - Evgeniya Sutyaginskaya England
12 Ivan Krylov - Natalia Smirnova Russia
12 Evgeni Kazmirchuk - Ekaterina Kim Russia
12 RüDiger Homm - Viktorija Triscuka Germany
12 Go Hashimoto - Keiko Onda Japan
日本から
12に橋本 剛・恩田恵子組
51に末富祟仁・尚子組、岡田大輔・菱田純子組、浅村慎太郎・遠山恵美組、新鞍貴浩・中田裕希子組、三輪嘉広・知子組、井崎健太・塩田彩子組、中嶋秀樹・美喜組
