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日時: 2011年6月25日

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エッセイ
全英レポート
 
 全英選手権は世界でもっとも権威のある大会であることは、やはりその歴史、そして語り継がれるカリスマの存在が人々の記憶に鮮明に残り、伝統を作り上げているからに他ありません。全英はボールルームダンスの「聖地」であり、ダンサーとしての夢なのです。そして今年もこの「聖地」に世界各地より優れたダンサーたちが集まり、伝統あるウィンターガーデンのエンプレスボールルームで世界最高峰の技が競われました。
 大会前半はプロ、アマのライジングスター、シニア、21歳以下、チームマッチなどのイベントが開催され、後半に入ってフォーメーションやエキジビションコンペなどとともにアマチュアラテン、プロラテン、アマチュアボールルーム、そして最終日、千秋楽のプロボールルームと、毎夜遅くまで大会は盛り上がっていくのです。
 日本人カップルにとってプロライジングスター部門は世界への登竜門としての意義深い大会です。5月27日(金)。大会初日のプロライジングスターラテンでは織田慶治・渡辺理子カップルが見事ファイナル(7位)に進出し、瀬古薫希・瀬古知愛カップルもセミファイナルに駒を進めました。織田組は大会2日目の土曜日、インビテーション国際チームマッチでもオーストラリア、アジアの連合チームの一員として大いにその存在をアピールしていました。
 翌週月曜日のプロライジングスターボールルームは橋本 剛・恩田恵子カップルがセミファナルに進出もファイナルに一歩及ばず。しかも他の日本人カップルはベスト24に進めないというかなり悲惨な状態に終わってしまいました。「モダン王国日本」と言われた時代は過去のものなのか、次の次代を担う若手の成長が著しく遅れている現状は真摯に受け止め、積極的な対策を実行しなければなりません。
 5月31日(月)。大会が後半に入った途端に競技会のムードは一変。アマチュアラテンのレベルの高さは毎年のことですが、今年も世界トップのアマチュアダンサーたちが若さにパワー、スピードが全開!そしてセクシーさも加わり、エンプレスボールルームは若いエネルギーで充満。最後まですばらしいダンスで会場を沸かせました。
 翌水曜日プロラテンの日は伝統的に男性審査員はすべて白のジャケットを着て登場します。今年の男性ジャッジのドニー・バーンズ氏、ジョージ・コード氏、ピーター・イグルトン氏、アラン・フレッチャー氏、ポール・キリック氏、そしてリチャード・ポーター氏は全員白のジャケットで統一。それに色を添えるようにアン・グリーブ氏、バーバラ・グローバー氏、ニコラ・ノーディン氏、デニース・ウィーバース氏そして我妻、アデールの女性ジャッジは華やかな赤やオレンジのドレスで大会の雰囲気を更に盛り上げていました。
 全英の覇者マイケル・マリトウスキー&ジョアン(ポーランド)対世界選手権覇者のリカルド・コッキ&ユリア(USA)のバトルが炸裂し、3次予選に彼らが登場するなり一気にヒートアップ。両サイドに分かれて自身のベストダンスを披露するや、オーディエンスは大声援を送っていました。勝敗は先の世界選手権での勝者リカルド組にプレッシャーがあったのか、かなりハードに踊ってしまった印象で、リラックスして最高のパフォーマンスを披露したマイケル組に軍配が上がり、全種目1位の完全優勝を達成しました。
 フランコ&オクサナカップルは残念ながら大会前にカップル解消し欠場。一方の3位争いを繰り広げていたセルゲイ&メリア組は最近の絶好調を維持し、上位2組に肉薄するすばらしいダンスで猛追しています。以下は4位スクフカ&メリンダ組(スロベニア)、5位ステファノ&オルガ(イタリア)6位マウリッツィオ&アンドラ組(カナダ)と続きました。
 日本勢は織田組のRとJの2種目で24へ、瀬古組が48に進出するのが精一杯。
 アマチュアボールルームもハイレベルな戦いが繰り広げられましたが、やはり一時のイタリアやロシアなどの強豪国からのエントリーが減少しているのは事実で、その意味ではやや寂しい感じを否定することはできません。
 最終日の6月1日(金)はプロボールルーム。王者アルナス&カチューシャ(USA)対ミルコ&エディータ(イタリア)の頂上決戦は今回もアルナス組に勝利の女神が微笑みました。リラックスした伸びやかなダンスはエレガントさにパワーフルさも加わり、全種目1位の完全優勝を達成しました。一方のミルコ組は私の目には予選ラウンドでは「今日の勝者」と思わせるすばらしいダンスで観衆を魅了していました。この全英では持ち前のタンゴの切れ味もさることながら、ワルツの美しいフットワークが滑らかなスウィングがさらに魅力あるものにしていました。最後のファイナルでは徐々に上半身がタイトになって来たのが惜しまれます。しかしこの2組のバトルはまだまだ続いていくことでしょう。
 以下は3位ヴィクター・ファン&アナ(USA)、4位サーシャ・カラベイ組(ドイツ)、5位ドーメン・クラペツ&モニカ組(スロベニア)、6位ヴァレリオ組(ロシア)、7位ウォレン・ボイス組(英国)、8位アンジェロウ&アレッシア組(イタリア)と続きました。
 日本は橋本組がW、F、Tの3種目で5次予選(24)に進出し、庄司浩太・名美組は残念ながら48止まりでした。 ボールルームもラテンも依然エントリー数だけが「世界一」ではなんとも情けないのではないでしょうか。
 世界に通用する選手の育成もジュブナイル、ジュニアでは始まり、現実にすばらしい成果を見せていますが、近い将来各年代でも同じような勢いが見れることを期待したいものです!
 

投稿者:田中英和 | 日時:2011年6月25日 06:32  



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