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日時: 2011年7月24日

essay

エッセイ
日本インターナショナルダンス選手権大会
 
 今年の日本インターナショナルダンス選手権大会(JBDF主催)は未曾有の被害により亡くなられた多くの犠牲者の冥福を祈りつつ、被災地の早期復興を信じ、祈りを込めたイベントとして実に意義深いものであったと言えるでしょう。
 国中から、そして世界から大会を盛り上げるために本当に多くの方々が日本武道館に足を運んでくださいました。会場で集まった皆様方からの義援金も相当額に上り、本当にありがたいことと改めて主催者に成り代わりまして御礼を申し上げたいと思います。
 5月末の全英選手権開催中に武道館での大会が中止になったとの噂が広まったことがありました。実際、主管の東部総局内では自粛ムードや汚染問題などで大会の開催が危ぶまれた時期もあります。しかし、一致団結した前向きなオーガナイズにより 、一部審査員のメンバーに変更があったものの、 世界からトップジャッジの方々そして選手が集まってくれました。  
 出場選手たちは燕尾服の胸にそしてドレスのワンポイントに復興への願いをこめた "DANCE & PREY"のエンブレムを縫い付けて、すばらしいダンスを披露。大会2日間共にフロア上ではいつもとは少し雰囲気の違うなかにも白熱のバトルが繰り広げられました。
 プロラテンの部では全英覇者マイケル・マリトウスキー&ジョアンナ組の完全優勝。全審査員から全種目に1位がマークされました。人間業とは思えないほどの完璧なタイミング、スピードの変化、パワー、空間の支配、スピンの美しさなど非常に完成度の高いダンスを披露し他を圧倒。会場は彼らのダンスに酔いしれていました。
 続く世界トップクラスのアンドレイ・スクフカ&メリンダ組も実力を大いに発揮し、全種目全審査員から2位をマークされました。チャンピオンにはまだ相当な距離があるものの、さすが世界のファイナリスト。そのレベルの違いを見せつけていました。
 3位はストロングでクリアなダンスは順当に評価され織田慶治・渡辺理子組が5種目とも3位に入賞し、日本チャンプとしての意地を見せました。4位以下は今のJBDFのトップクラスが順当にランクインをしたように見えます。4位金光進陪・吉田奈津子組、5位瀬底正太・原 静組、6位西島鉱治・向高明日美組、7位立石勝也・裕美組という結果です。しかし種目によってはポイントは相当ばらつきがあり、かなり僅差での勝敗になったようです。このクラスでのライバル間の競争は熾烈を極めており、この夏から初秋のシーズンでしっかりインプルーブしたカップルが今後秋シーズンでの脚光を浴びることになるでしょう。
 個人的には増田大介・塚田真美組と進藤博信・奥原怜美組がフロア上で生き生きと明るく光り、好印象を与えていたように見ました。さらに実力がつけば上位を狙えるところまで来ているように感じます。注目株として目が離せません。加えて、今回JDCからの出場でセミファイナルに進出した元田慎哉・早苗組もすばらしいダンスを披露。「日本がひとつになってがんばろう」という強いメッセージを残したように思います。団体や組織の枠を越えてもっと交流がもてる将来になることを私も望んでいます。
 プロスタンダードの部では全英準優勝のゴッツォーリ組が全英での好調そのままにすばらしいレベルのダンスを披露し、全種目1位の完全優勝を果たしました。2位はファン組が伸びやかでスムースなダンスに加えてリード&フォローの基本がさらに充実したのかカップルの一体感がさらに良くなったように見ました。
 3位にはドーメン・クラペツ&モニカ組が入賞しました。長身のカップルで見た目にもスタイリッシュなグッドダンサーです。ストロング、スポーティーでスピーディーな印象を与え、このクラスでのこの成績は順当でしょう。4位にはオーストラリアのマシュー・ルーク&アナ組が全英セミファイナルの実力をもって入賞しました。
 5位以下は橋本 剛・恩田恵子組、河原 央・新井いづみ組、そして新鞍貴浩・中田裕希子組と続きましたが、健闘よくファイナルを踊りきりましたが、やはり世界との実力差は明白で海外のトップクラスの後塵を拝することになりました。
 セミファイナルに終わった本池 淳・武藤法子組は次点で涙をのんだ格好ですが、さらに奮起して秋シーズンでの再チャレンジに期待したいものです。また、新Aクラスに昇級したばかりの末安佑一郎・木村友華組がいます。今回初のセミファイナル入りをするなど新旧交代の色合いがそろそろ濃くなりつつある予感がします。
 東部や西部といった枠でものを考えるのではなく、よりオープンに日本のレベルアップのための方向性を早く見いだし行動に移すべき時期にきています。プロのダンス界もそれぞれの都合や小さな枠組みでものを考えず、ともにダンス人として進んでいける環境を作らなければならないと思っているのは私だけでなく日本国中皆同じなのではないでしょうか。 

投稿者:田中英和 | 日時:2011年7月24日 07:43 | カテゴリー:(ダンスビュウエッセイ) 

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