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日時: 2011年8月25日

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エッセイ
垣根を越えて
 
 来月開催のJCF主催の全国大会、マスターズギャラクシーではJDC所属の選手もエントリーが可能になり、例年とは違った雰囲気で盛会に開催されることでしょう。先のJBDF日本インターナショナル選手権に続き、他団体のイベントに「垣根を越えて」出場する動きが徐々に見られるようになってきました。これは今の日本国内のプロ選手たちにとっての「自由」が復活する動きとして捉えることができるでしょう。
 個人的にもこの動きには大いに賛成です。プロの競技ダンサーとして国内で行われる全日本クラスの大会や世界のトップジャッジ、トップダンサーたちが集う大会に他団体であるが故に出場できないのは残念なことです。今が旬の選手が大いにオープンに活躍できる場が増えることは大いに喜ばしいことと思います。
 英国の伝統と歴史のあるブラックプールダンスフェスティバル(全英選手権)、UK選手権、インターナショナル選手権はカリスマダンサー達が最高レベルのバトルを繰り広げてきました。世界からトップダンサーが、そしてオーディエンスが集まるのはその大会の威厳や意義を十分に知っているからなのです。しかも全くオープンマーケットの主義で、どの選手も出場する自由が与えられてきたからこそ「世界最高峰」としてその伝統を築き上げて来れたのではないでしょうか。
 しかし、 将来のダンス界の有り様を見据えた物の考え方の違いからなのでしょうが、 最近になりアマチュアの世界組織IDSF加盟の一部の組織がオープンなはずの全英などの大会に出場してはならないと圧力をくわえているという問題が生じています。ダンスの将来を見据えた上での組織の分裂はあるにしても、今の選手の自由を奪う行動はどうしたものでしょう。
 IDSFにはプロ部門(IDSF/PD)が誕生し、それに属するイタリアなどのトップダンサー達は全英などの英国の大会には出場してきません。自分の意志であるなら、それをとやかくいう必要もありませんが、もしもそうでないなら大問題と言わざるを得ません。
 日本の場合、英国のようにWDC登録の選手とIDSF/PD登録の選手すべてが出場できるダンス競技大会の開催は現状まず不可能でしょうが、それ以前に日本の問題はほとんどのプロを擁しているJBDF、JDCそしてJCFの3団体が統一の組織JNCPDを構成し、WDCの日本の正式なメンバーボディーとして認められているにもかかわらず、この同じ世界組織に属する団体のイベントに同じ組織に属する他の団体の選手が参加できないということなのです。この不条理はどういうことでしょう。
 地域では様々な違う環境や要件がありますから、今すぐにすべての団体を一本化することは無理でしょうが、ダンスを愛する人間の集まりであるダンス界が分裂しているような時代ではありません。 組織が分裂し長らくお互い敵対関係にあったことでなかなか和解できないのでしょうが、まず海外のトップを迎えるような全国大会規模のイベントくらいは「垣根を越えて」選手が出場できる環境を作るべきです。
 総理大臣も明確に辞意を表明し、政治も大きく動き始めています。新たなリーダーのもと自民、公明との「大連立政権」の樹立がささやかれています。世界経済の後退、日本の財政破綻の危機が叫ばれている今日この頃、この判断は当然だと思います。震災からの早期復興や放射線被害の対策、エネルギー問題などの軌道修正や政策が急ピッチでなされるでしょう。大いに期待したいものです。
 そしてソニーとLG電子がデジタルテレビなどIT部門で和解がなされ、今後は恊働していくというニュースもありました。それぞれの単一の企業同士が競争し続けるのではなく、お互いの強みを利用しつつ発展する道を選択したのです。これも今の時代を理解し、近い将来をしっかり見据えた正しい判断であろうと思います。
 プロのダンス界も一団体の都合で視野を狭めて物を考えるのではなく、プロのレベルをさらに上げていく物の考え方をするべきです。そのためには全国レベルで選手の交流、ジャッジの交流がさらに盛んに行われる環境を作ることが肝心です。日本のトップが競うトーナメントが開催できるようになれば、世にプロダンスのレベルの高さを知らしめることにつながり、ひいては日本の競技ダンサーのレベルアップを加速させることが期待出来ます。
 将来の有り様にはさまざまな考え方があるでしょうし、この考えにも賛否両論はあるとは思います。しかし、今の現状ですべてよしとは誰も思ってはいないでしょう。今後活発な議論がなされることを大いに期待したいと思います。

投稿者:田中英和 | 日時:2011年8月25日 20:39  



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