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田中英和先生のワールドダンス

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Dance With Me?

ダンスの難しさ、奥の深さに改めて自身を見詰め直す今日この頃ですが、ダンスに巡り合えてダンスにはまり込んだ幸せ、しゃにむに世界にチャレンジできた幸せ、世界の名だたるコーチャーに教えを請うことができた幸せ、仲間、そして後輩たちと共にダンスの何たるかを追い求めることができる幸せは、何物にも代えがたいことです。

先日(2月11日)、『DANCE WITH ME!! 大阪公演』を見させて頂きました。素晴らしいステージでした。夢を追う一人の少女が真のダンサーに成長していくストーリーを背景に、日本のトップ競技ダンサーたちが一つの方向性に集まり、それぞれがフルパワーで2時間のダンス絵巻を展開したのです。「ブラボー!」まさに感動のステージでした。

競技会で技を競う選手のバトルに手に汗握る雰囲気が、年々薄らいでいることを否定できない現状があります。選手のエントリー数の減少も、観客動員の減少傾向も、その打開策の検討は急務なのです。このような危機感が今のトップダンサーたちを突き動かし、競技フロアでのバトルとは一味違った、ステージ上で鍛え抜かれたトップダンサーたちの迫真のパフォーマンスが披露され、多くの観客に感動をもたらしたのです。

ダンスを愛する者同士が一つに集まることの素晴らしさを改めて共有できた瞬間であり、金光進陪君を筆頭に選手諸君、そして若手のOB諸君が新たな「ダンスの可能性」を示してくれたことは大変に意義深いことです。今後ともこのステージは場所を変えて公演されるとのこと。更なる成功を祈りたいと思います。

さて、話は変わって、日本の社交ダンスも風俗営業法から外れ、学校の授業などでも採用して良いほど社会的認知を受けるまでに成熟したと感じるのですが、一方で最近よく耳にすることに、ダンスの世界でも「マナーの悪さ」が問題視されている現状があります。これはとてもとても残念なことです。

ダンスが踊られるシーンは様々ですが、その様々な場面で「マナーの悪さ」に嫌な思いをすることが後を絶ちません。以前にも、私の生徒さんが、いわゆる「教え魔」という存在に捕まって嫌な思いをされたり、あるダンスパーティで暴言を吐かれ、「もう二度とパーティには行きません!」と涙ながらに訴えられたこともあります。大声で喧嘩をするカップルの存在について、練習場のオーナーさんから相談を受けたこともあります。

こんなことが普通に今でもあるのでしょうか? これ見よがしに乱暴に動き回るダンサーが後を絶たないのでしょうか? パーティで暴言を吐いたり、練習場で大声で喧嘩するカップルがいるのでしょうか? 雰囲気をぶち壊したり、言葉の暴力を投げかけたり、DVと言われるようなことがダンスの世界であるなら、それはダンスを愛する全ての人の「敵」であるとしか言いようがありません。

日本は競技ダンスを通じてダンスを普及してきた歴史があります。NHK教育テレビで篠田学先生、雅子先生が講師を務められた『Let’s Dance』が放映された頃(今から30数年前)から、ダンスが空前のブームを引き起こしました。爆発的にダンス人口が増え始め、「日本インターナショナルダンス選手権」もNHKが毎年放映し、再放送されるほど視聴率を上げていたのです。全国的にダンス教室、スタジオ、サークルが増え続け、競技会も盛んに開催され、高度成長に乗ってダンス界も潤った時代がありました。

しかし、同時にマナーの問題が持ち上がり始め、「競技ダンスが日本のダンスを悪くしている」という投稿が「ダンスビュウ」でも目にするようになったのも事実です。競技は競争ですから、我先に上手くなったもの勝ちとばかりに、たまたま動ける自由を持った者がこれ見よがしに踊り狂ったり、スポーツとしてのダンスという概念が、無理に身体を使うことをパートナーに強要したり、同じ場でダンスを楽しむ仲間に嫌な思いをさせることは大きな勘違いとしか言いようがありません。

ダンスは、他と比較して優位性を示すために身体を使うのが目的ではありません。合理的なバランス、スタイル、距離感を持ち、カップルのムーブメントや音楽との一体感を存分に味わうことが楽しいのであって、それはパーティで初対面の方と踊る場面でも、競技で競う場面であっても何ら変わりません。人間同士の触れ合いを求めることに喜びを感じ、共に一つの、共通のものを作り出すことに喜びを見出すからこそ、そこに意味があるのであって、マナーという「常識」は当然、あって然るべきものです。それが根本にあるからこそ、価値が見出されるのではないでしょうか。

そういう意味でも、選手が創り出した『DANCE  WITH  ME!!』って、ほんと、夢があり、希望に満ちた素晴らしい作品です。「Dance With Me?」――「一緒に踊って」って言われたら、「いいよ!」って笑顔で答えられる、そんなダンスって、夢があってホント大好きです!

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プロフィール

  • 田中 英和

    生年月日:8月9日
    出身:広島県広島市出身
    経歴:1997年2月にアデール・プレストン選手とカップルを組み、5月の全英選手権で日本選手初の第3位表彰台に輝く。「ヒデ&アデール」の愛称で国内外の大会で活躍し、翌98年の全英選手権5位入賞を最後に現役を引退。以降、審査員、コーチャーとして後進の育成にあたっている。また、本誌でも、7年にわたって連載レッスン「ナチュラル・ダンシング」シリーズを執筆し、大好評を博した。
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