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田中英和先生のワールドダンス

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上達の秘訣

6月10日、11日の日本武道館で開催された「日本インターナショナルダンス選手権」(JBDF)を皮切りに、名古屋、札幌、大阪、北九州と各地でインターシリーズを展開。またJDCも北九州で「JDCカップ」を、そしてJCFは琵琶湖畔の大津で「JCFカップ」のビッグコンペを開催。7月に入ってはNDCJ公認「ジャパン・ダンス・グランプリ」(JBDF-I/JBDC)、そしてJBDF東部は「東部日本選手権」を開催。5月末の「全英選手権」から始まった競技ダンスシーズンは、7月2週目までの約2カ月間、ビッグコンペのオンパレード。今シーズンを終えたばかりの現役トップダンサーたちは、一様にホッと一息ついているところでしょう。

と同時に、このシーズンを振り返ってみて、成績が上向き、秋シーズンが楽しみなカップル、現状維持が精一杯だったカップル、良かったり悪かったり成績も内容も安定しなかったというカップル、ぜ〜んぜんダメだったというカップル、それぞれに思うこと、感じることがあるのではないでしょうか。

競技会ではカップルバランスの良い、テクニックの優れた、音楽性豊かなカップル、パワーもありスピードの緩急も魅力的なカップルがファイナルの上位にランクインするのは当然のことで、ジャッジのマークにも極端な差が生まれないのが普通です。

ところが、時々、ジャッジの採点に極端とも思えるような差を見ることがあります。ジャッジの観点の差異もあるかもしれませんが、発展途上のカップル同士のファイナルだったり、同じようなレベルでのバトルで、時により起こり得ることです。ある選手が良く踊っている瞬間を見たジャッジは良いマークを付け、次の瞬間にバランスを壊してしまったところを見たジャッジは良くないマークを付ける、ということです。

1曲踊る中でダンスの良し悪しが存在してしまうのは、上達したい気持ちはあるものの、理論に一貫性がないままに練習を続けているという選手ではないでしょうか?ただ踊り込みの練習だけで上達を期待するのは、ほとんど「まぐれ」に近いものなってしまいます。私は、マナーとしての品の良さを追うスタイルで社交ダンスのレベルが上がる側面と、競技ダンスで勝負に勝てるようになる側面は「同じもの」と理解しています。ダンス音楽のリズムやテンポを背景に、それぞれのダンスの特徴が見て取れるダンサーは、社交ダンスでも競技ダンスでもそのダンサーを「上手い」と評価するものです。

社交ダンスの理解と競技ダンスで勝てる理屈が同じ?と疑問に思われるでしょうが、社交ダンスも競技ダンスも「することは同じ」。人間の脚は2本しかなのですから、どちらかの脚で体重を支えて移動しているのです。その体重を支えている脚を使って何を動かすかの理解によって、それが単なる「歩行」になるか、社交ダンスの品の良い、美しい「ウォーク」になるかが決まってくるものなのです。その延長にあるものが力強くもスムースな「スウィング」であり、スタッカートのあるフリックを利用したシャープな「タンゴウォーク」であり、ボールルームダンスにおける「競技の本質」にあるものと言えるのです。

 

脚で動かすものは何か?上達の秘訣は「脚の振り」にあり

プロダンサーであっても勘違いをしやすいのですが、体重を支えている脚でまず動かすものは体重や重心の移動ではないのです。ボディが先で後から足がステップされて体重をキャッチするというように考えられている向きがありますが、それではまるでUSJでアルバイトとして働くゾンビの歩き方と同じ。立っている脚で動かすのは、体重を支えていない、骨盤からぶら下がっている脚なのです。その体重を支えていない脚を動かすために体重のある脚のプレッシャーが大事で、それが骨盤の高さを1〜2cmであっても上げることができ、骨盤内の骨盤底筋群と言われるインナーマッスルの強さが、ぶら下げている側の脚を動かすチャンスを生むのです。

そのぶら下げている脚が動き始めると、それを実際の脚の振りに展開させるのが背骨のシナリ。頚椎の下の胸椎から数えて上から8番目の椎骨が一番加速に影響する骨であり、体重を支えている脚の強さが骨盤のインナーマッスル、そして背骨にあるインナーマッスル「多裂筋」に影響を及ぼします。そして背骨のシナリが脚の振りに転じることで、体重のある脚の膝を緩めることになり、実際のウォークに展開して行くのです

前進のための脚の振り、後退の脚の振り、PPであってもCBMPの足の位置であっても、体重のある脚でもう一方の脚を振るのは、社交ダンスである以上、上達のために絶対に必要なもの。一緒に踊る相手が言葉の通じない外国の方であろうと、パーティでの初めてのお相手であろうと、うまく踊れる理論の背景は「体重のある方の脚でもう一方の脚を振る」、これに尽きるのです。

競技ダンスのレベルを上げるためには、この脚振りの動作に脚の重さを乗せる大胆さと、そのタイミングやスピードの精度を上げることです。例えこれがノービスクラスであろうと、プロのオープン戦であろうと、全英選手権であろうと、それは同じこと。それをロアの深さとシェイプの大きさ、動き始めるまでの間の取り方などが音楽性となり、そうした能力を高めることが芸術性に繋がっていくものなのです。それが、社交ダンスの上達のための絶対条件だと私は信じています。

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プロフィール

  • 田中 英和

    生年月日:8月9日
    出身:広島県広島市出身
    経歴:1997年2月にアデール・プレストン選手とカップルを組み、5月の全英選手権で日本選手初の第3位表彰台に輝く。「ヒデ&アデール」の愛称で国内外の大会で活躍し、翌98年の全英選手権5位入賞を最後に現役を引退。以降、審査員、コーチャーとして後進の育成にあたっている。また、本誌でも、7年にわたって連載レッスン「ナチュラル・ダンシング」シリーズを執筆し、大好評を博した。
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