※本記事は月刊ダンスビュウ2023年11月号（9/27発売）の83頁に掲載しています。

2023年８月11・12日（金・土）、ヒルトン東京ベイ舞浜・ディズニーリゾートにて、第47回東日本県別対抗アマチュア競技ダンス千葉県大会が開催されました。

この大会は、東京・神奈川を除くJBDF東日本連絡協議会が主催で毎年行なわれています。会場は持ち回りで、前夜祭と本選の2日間にわたり、各県の交流を深めることを目的としたお祭りのような大会です。

東北ではコロナ禍中、さまざまな事情からこの大会への出場がかないませんでした。しかし、今年はいち早く福島県が自県で１チームの参加を表明。福島を除く5県も、東北選抜チームを作り、東北の復活を果たしました。

1チームは、スタンダード部門3組、ラテンアメリカン部門3組の計6組で構成されます。どちらも踊れる選手がいる場合は、少ない組数でも出場できます。選手の選考基準は県ごとに異なりますが、前年度の大会成績などが考慮されるようです。

今回、岩手県代表となった千葉順子さんによると、「東日本県別対抗戦に選んでいただけることは、選手としてご褒美をいただいた感じです。私たちは2006年から7回近く出場していますが、どこの県に行っても至れり尽くせりでとても楽しいです。その分全力で戦います！」と語ってくれました。

1日目の前夜祭は、ディナー形式で行なわれ、ダンスタイムや各県の選手紹介で大いに盛り上がります。ミキシングでは、先生とアマチュアトップ選手が入り乱れ、楽しいダンスタイムとなります。

2日目の本選は、予選でどの県と同じブロックになるかがミソです。ABCの3つのブロックに分けられ、1位と2位が上位決勝、3位と4位が中位決勝、5位と6位が下位決勝となります。東北選抜チームは、スタンダード・ラテン共にブロック1位通過でした。

そして最終結果は、東北選抜チームがスタンダード・ラテン共に3位入賞‼　初めて表彰台に上がるという快挙を達成しました！

東北選抜チームの監督を務めた千葉英明さんに感想を聞きました。「東北選抜ということで、私達カップル以外は20代の強い選手で編成され、自分たちの踊り次第で順位が大きく変わってしまうと思ったので、3位という結果にほっとしています。最年長ということで監督も仰せつかりまして、若いチームの中でパワーをいただいて楽しく踊らせていただきました。決勝では同じ東北から出場の福島県チームから大きな声援をいただいて、気持ちも乗ってきました。以前に比べると中高生、大学生の若い選手の出場が増えて、各県レベルアップしている印象を受けました」

今回真っ先に出場を決めた福島県。当日応援に駆けつけた福島県プロダンスインストラクター協会会長の小針博雄先生（郡山ダンススクール）に、その真意をうかがっています。

「東日本大震災で大きな被害を受け、さらに新型コロナウイルスで様々な活動が縮小されて苦しい財政の中、2018年を最後に東日本県別対抗戦への出場がかないませんでした。それでもがんばっている選手達の熱い気持ちを、県内のダンス愛好家に届けるために、5年ぶりに出場することにいたしました。3月の全福島ダンス競技会を代表選手選考試合として、より多くの選手が東日本県別対抗戦に出場できるよう、福島県は独自のチームを結成しました。出場した選手からは〈決勝に残ることができて、サイコーでした！〉〈もっともっと練習に励んで、来年もまた出場したい！〉など、嬉しい声が聞かれました。これらの思いを胸に地元に戻り、来年の大会に向かって大勢の福島県選手達と、ともに切磋琢磨して欲しいと思います」

来年の東日本県別対抗戦は山梨県で開催されます。東北チームの躍進にご期待ください。最後に、今回見事各県から代表として選ばれた選手の皆さんをご紹介します。

【東北選抜チーム】
▼スタンダード　千葉英明・順子組（岩手県）、松浦龍騎・優莉華組（宮城県）、渡邊雄介・黒木愛莉組（千葉県在住・秋田県）
▼ラテン　平山博士・森居那穂華組（青森県）、千葉大地・菊池菜央組（秋田県）、寺澤宏太・工藤愛弓組（山形県）

【福島県チーム】
▼スタンダード　佐藤恭一・後藤ひなた組、渡部博綱・喜美枝組、和田裕典・麻里子組
▼ラテン　荒谷友亮・阿部つぐみ組、関根恭士・愛組、和知重信・嘉栄組

レポート／木下なつ（プロダンサー・ライター）