【連載】NANAKO’s Café「第1回ゲスト:ダンスZONEムラカミ 木下佳美先生」
月刊ダンスビュウ
2025年3月号(1月27日発売)掲載
鴨生奈々子 かもう・ななこ
証券会社、広告代理店等の経験を活かし、不動産業界にて25年以上の経歴を持つ。取締役副社長を現在務める不動産会社の多角経営の一環として、個人で社交ダンススタジオをM&Aし社交ダンス業界を応援している。
第1回「ダンスZONEムラカミ木下佳美先生と社交ダンスを語る」
【今月のゲスト】木下佳美先生
1997年 プロデビュー
2000年 JBDFプロラテンアメリカンA級昇級
2001/03/05/06年 スーパージャパンカップセミファイナル
2002/04年 日本インターナショナル選手権セミファイナル
2003年 統一全日本選手権 セミファイナル
2005/06年 東京スターグランプリ ファイナル
2007年 ダンスZONEムラカミ オープン

左:木下佳美先生 右:鴨生奈々子さん
鴨生 競技会でのジャッジ(審査員)、お疲れ様でした。選手の皆さんは、エネルギッシュに踊られていましたね。
木下 どの選手も甲乙つけがたい素晴らしい演技でした。ただ、奈々子さんのように、観戦に訪れる方は少なかったように感じます。
鴨生 昔はもっと多かったのですね。なぜ少なくなってきているのでしょうか。
木下 スタジオ(教室)での告知が足りないように感じます。いつ、どこで、何の競技会が行なわれているかを知らない方が多いのではないかと。
鴨生 確かに、応援している選手、ダンスの先生が出場する競技会でないと、興味を持たれないかもしれません。先生のスタジオでは競技会の案内をどのように告知しているのですか。
木下 愛好家の方限定になるかもしれませんが、日本インターナショナル選手権大会やスーパージャパンカップダンスのような規模の大きい競技会は、スタジオ内に大きなポスターを貼っており、目に留まるようにしています。
鴨生 その2大大会は、佳美先生に声をかけられてから、必ず観戦しています。顔見知りの選手が多数出場しているので、本当に楽しく、応援にも熱が入ります。ダンスのレベルがとても高く、私も感化されるのか、翌日のレッスンでは少し上手くなっている気がします(笑)。もっと告知して、もっと多くの方に観戦してほしいですね。
木下 告知とひとことで言っても、とても難しいですよね。露出を嫌がる方もいるので、撮影許可が出ないこともありますし。
鴨生 今は多くの人が広く著作物を利用して、情報を発信する時代です。当然ながら、著作権を扱う意識をしっかり持つことが大前提ですが、制限が多いからと告知を諦めるよりも、正しい方法で広める方が情報の幅も広がりますよね。
木下 そうですね。ただ、社交ダンスの世界は特に発信力が弱くて、それが文化の発展を遅らせていると感じています。「実は日本中にダンスを楽しんでいる方がたくさんいる」ということが、もっと広く認知されると良いのですが。
鴨生 わかりやすいのがSNSで “踊ってみた動画”って、とても多いですよね。目に付く投稿は「今流行っている」という意識が働くので、「自分もやってみたい!」となります。
木下 よくわかります。目にすることが多いと、興味は自然に湧いてきます。社交ダンスも同じように「SNSでよく見かけるなぁ」、「やっている人多いのかなぁ」と思われるくらいメディアに取り上げてほしいですよね。

スタジオがご近所ということもあり、仲良くしていただいているダンスZONEムラカミの木下佳美先生。これからもダンス界を盛り上げていきましょう!
鴨生 肖像権等の権利は本人にあるので、写り込みに気を付ければ、ダンサーさんがSNSの包括許諾契約されている曲(公式音源)を投稿のBGMとして利用すれば、自身の振り付けで踊られるのは自由ですものね。私もキレッキレに踊れるのならばもっと上げたいですよ。下手過ぎて、逆に社交ダンスのイメージを崩しそうで上げにくいのですが(笑)。
木下 奈々子さんも、ぜひたくさんSNSにダンス動画を上げてください! 私も世の中にもっと社交ダンスを広めるべく、マメに投稿して広めていきます。
鴨生 社交ダンスが実はいかに流行っているかという実態をどんどん世の中に宣伝していって、「社交ダンス、やってみようかしら」という方を増やせるように頑張りましょう!