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『バーン・ザ・フロア』最新公演「COLOR MY HEART」日本での稽古場に潜入!

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取材・文 池田アユリ
撮影 池田祐史

2025年7月25日から4日間、大阪・フェスティバルホールで『バーン・ザ・フロア』が開催される。2002年の初来日から11回に渡る日本公演を行ない、約50万人を魅了してきたダンスエンターテイメント——。最新作となる本公演では、元宝塚歌劇団花組トップスター・柚香光(ゆずか れい)さんがゲストアーティストとして出演する。今回、日本で行なわれているリハーサルの様子を取材した。


■日本公演の稽古場へ

ホワイトボードに書かれた「リハーサル1日目」の文字

7月某日の昼、大阪市内のダンススタジオにて、『バーン・ザ・フロア』の主要メンバーがリハーサルを行なうと聞いて訪れた。フロアには舞台の広さを示した黒いシートが張られており、ダンサー達が立ち位置を確認している。スタジオの空間は、まるで海外の練習場に来たような錯覚を覚えた。

フロアには舞台の広さを示した黒いシートが張られてる

手元の資料を見てみると、イギリス、イタリア、オーストラリア、南アフリカ、ロシアと、世界各国のダンサーが集結している。一見してその体格からボールルームダンスを極めてきたトップダンサー達であることが伺えた。

まず、ダンサーたちは振り付けや立ち位置を確認。舞台上を移動する際にはぶつからないよう、腕で進行方向を示しながら「私はここを通るよ」「私はこっち」と、互いに合図しながら取り組んでいた。

リハーサル中のダンサーたち

いざ、曲での練習に入ると、さきほどの静かなやりとりから一気にその場の空気が変化する。それぞれのエネルギーを発散させるがごとく、ダンサーたちは全身を使ってメロディとリズムを表現した。

ダンサーたちの動きはすべてに力みがなく、ナチュラルだ

彼らのダンスには、「自由」という言葉が似合うだろう。キレのある動きも、柔らかなアームも、すべてに力みがなく、ナチュラルだ。すべてのダンサーに言えるのは、身体の芯があること。その芯を全身に繋げて、四肢に伝えていく……。その表現への彩りが、観る者に「自由」を連想させるのだろう。

リハーサルの指揮を執っていたのは、オーストラリア出身のジョルジャ・フリーマンさんだ。同公演のプリンシパルダンサーである。この日本公演に向けて、準備にどれほどの時間を要したのだろうか。

オーストラリア出身のジョルジャ・フリーマンさん

「昨年9月からこのショーのコンセプトを練り、振付、衣装、照明などをコツコツと制作してきました。今回が初来日の新しいダンサーもいます。私たちは日本に来る日を指折り数えていて、ここでパフォーマンスすることに興奮気味です。本番が本当に待ちきれないです」(ジョルジャ)

ジョルジャさんのダンスパートナーであるイタリア出身のアルベルト・ファチオさんは、このように振り返る。

イタリア出身のアルベルト・ファチオさん

「十分な時間をかけて、段階を踏んできました。まず、音楽。私たちダンサーにとって、音楽の選定非常に重要です。音楽監督のタイラー・アゾッパルディからセットリストが届いてから、私たちは振り付けを考えてきました」(アルベルト)


■テーマは “COLOR MY HEART”

『バーン・ザ・フロア』はブロードウェイを始め、世界30カ国以上で観客を魅了し続けている。12回目の日本公演となる今回は、テーマを“COLOR MY HEART”とし、曲目や衣装、パフォーマンスなど、よりバージョンアップした内容になっているという。

魅力的な小道具の数々をダンサーが使いこなす

イギリス、イタリア、オーストラリア、南アフリカ、ロシアと、世界各国のダンサーが集結しているダンサーたち

リハーサルを見守っていた『バーン・ザ・フロア』の創始者であるハーレー・メドカフさんからも話を聞いた。

『バーン・ザ・フロア』の創始者(最初のプロデューサー)であるハーレー・メドカフさん

「今回のテーマである“COLOR MY HEART”は、皆さんをロマンチックな気分にさせたり、喜びを感じさせたりするでしょう。それは、私たちが今までも、これからも観客に伝えようとしていることです。あなたの心を彩り、幸せにし、恋に落ちるような気持ちで見てもらえると思います」(ハーレー)

ダンサーのアルベルトさんも、このテーマについて話してくれた。

「このカンパニーには、世界中の人が集まっています。国籍と文化が異なる個性的なダンサーたちの心”ハート”が集まって、エネルギーや情熱、悲しみなど、様々な心の動きを表現します。ダンサーたちが織り成す化学反応をぜひ楽しんでもらいたいです」(アルベルト)


■ゲストアーティスト・柚香光の存在

柚香光さんが男性ダンサーを翻弄するようなパフォーマンス

ほどなくして、衣裳のフィッティングを終えた柚香光さんがリハーサルに加わり、さらに白熱した稽古が繰り広げられる。なかでも、彼女が男性ダンサーを翻弄するようなパフォーマンスがあり、その表情にドキッとさせられた。

振り付けの確認をする柚香光さん

日本での本格的なリハーサルの1日目である。実際にメンバーたちとリハーサルしていく中で、細やかな演出の追加や変更点が生じてくる。そういった中でも、柚香さんは顔色を変えず即座に対応していく。演目の曲を口ずさみながら、「一つ一つの動きを自分のものにするぞ」という闘志がみなぎっていた。

ジョルジャさんは、柚香さんについてこのように語る。

リハーサルの指揮を執るジョルジャ・フリーマンさん

「今までの公演との違いは、レイを『バーン・ザ・フロア』の文化に組み込んだことです。彼女はゲストアーティストとして、このカンパニーに溶け込んでくれています。彼女はもはや私たちの一員です。今回のショーでは彼女の文化や経験、あらゆるものを、私たちのものと融合させました」(ジョルジャ)

アルベルトさんは、「彼女が大好き!」と笑顔で話しながらこのように語った。

「レイは『バーン・ザ・フロア』のダンサーたちが持つ情熱と同じくらい熱いものを共有してくれます。とびきりの個性を持つレイは、ショーをさらに特別なものにしてくれるでしょう」(アルベルト)

 創始者のハーレーさんはこのように語る。

ダンサーそれぞれが放つ魅力が垣間見えた

 彼女は素晴らしい仕事への姿勢を持つダンサーです。彼女が宝塚歌劇団という歴史あるカンパニーで経験を積んできたこと。そして、私たちが伝統を愛し、ダンスを愛していること。何よりダンスに対するパッションが共通しているので、お互いに良い影響を与え合っています。」(ハーレー) 

時には裸足でリハーサルに臨む姿が見られた柚香さん。公演に向けての想いをこう語った。

取材を受ける柚香光さん

「今はお芝居的にも感情的にも、振り付けと自分の身体が繋がっていないところを細かく見直しています。最後までより良いパフォーマンスができるようにブラッシュアップしたいです。暑い夏ですが、観客の皆さんと共に、その熱気を吹き飛ばすほどの躍動を共有したいと思います」(光)

この公演は、まるで「感情のパレット」のようなものかもしれない。さまざまなダンサーの感情が混じり合い、時には鮮やかに、時には落ち着いた色調で、観客の心に描いていく。彼らの情熱が織りなす“COLOR MY HEART”の世界は、きっと私たちの心を彩り、忘れられない感動を届けてくれるに違いない。

※無料動画配信サービス「TVer」にて、「柚香光 踊る情熱〜バーン・ザ・フロア開幕直前SP〜」(関西テレビ)が7月28日(月)まで視聴可能です。

 

◎池田アユリ
インタビューライター。愛知県出身。大手ブライダル企業に4 年勤め、学生時代に始めた社交ダンスで2013 年にプロデビュー。
2020 年からライターとして執筆活動を展開。現在は奈良県で社交ダンスの講師をしながら、誰かを勇気づける文章を目指して取材を行なう。4 人姉妹の長女で1 児の母。

 

チケット情報

2025年7月25日(金)~28日(月)全5公演
フェスティバルホール(大阪市北区中之島2-3-18)

S席 13,500円
A席 8,500円
B席 5,500円
U25席 3,500円
バルコニーボックス(2席セット)25,000円

公式HP: https://www.ktv.jp/btf/#ticket

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