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コラム&本誌企画

【ダンスビュウ4月号DVDの見どころ】

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今月のDVD講師は、豪徳寺ダンススクール主宰の森田銀河・小和田愛子先生です。
2017年12月号のルンバ・2018年1月号のチャチャチャに続き3度目のご出演です。
「舞踏力」というタイトルで、「身体の使い方」「音楽表現」「回転」する技術を解説していただきました。

98回目の本誌DVDの中で初めてのテーマとなるのが、グループ2「音楽」~縦のリズム・横のメロディ~の章です。
DVD制作の打ち合わせの段階で、世田谷豪徳寺にあるお教室に伺ったとき、「今回は音楽と表現をテーマにしたい」という話に続けて「リズムを感じると身体は縦(上下)に動き、メロディを聞くと身体は揺れるのです。縦の動きは主に下半身(脚)、横の動きは主に上体に表れます」というテーマの概要を伺いました。

種目はチャチャチャ、さらに音楽をテーマにしたレッスンは、実はかなりの上級者でないと理解するのが難しく、不特定多数の方が観る雑誌の付録の範疇を超えてしまう気がしましたが(専門の単体DVDであれば別ですが)、音楽を構成する2つの要素「リズム」と「メロディ」を、「縦」と「横」に置き換えるという視点と、それを「縦=下半身の仕事・横=上半身の仕事」に振り分ける、という考えが斬新に思え「これはきっと面白い作品になる」と直感しました。

DVDのチャプターでは、グループ2の「音楽」の前振り(解説)の部分に注目してください。
…皆さんコンサートに行きますか、という問いかけから始まって、リズム系の楽器は身体を上下(縦)に振って演奏する、バイオリンやハープなど旋律をメインにした楽器は身体を横に揺らしながら演奏する、という件があります。
たしかに、打楽器を演奏するときは、身体は上下に動いてしまう。
弦楽器を奏でるときは、身体は横へ揺れてしまう。
ルールを学習した結果、そのように動くのではなく、音に対する反応として、自然に動いてしまう。
音楽と動作の関係が示されているお話で、撮影に立ち会いながら、なるほど、ダンスの根っ子というのは、こんなところにあるのかなと思った次第です。

特にご覧になっていただきたいのが、グループ2「リズムとメロディの踊り分け」のデモンストレーションです(05.00と10:00の映像)。
最初に披露されたリズムをメインにしたデモは、クリアで力強く、太鼓の演奏ように響いてくる。他人を寄せ付けないオーラ、何か結界のような空間が張られている。
一方メロディのデモンストレーションは、しなやかに流動し、心地良い風が伝わってくる。踊りが近寄ってくるように見える。
同じ曲で同じルーティンを踊っても、リズムとメロディで、かくも印象が違うんだ、というお手本です。
(DVDでは、空気感を再現できないので、十分に伝わらないかもしれませんが、実際に生で見ると、空気の感覚が一変するのを感じます)

なんで、こんなに印象が違うのでしようか?
その理由を明かす解説として、スプリットキューバンブレイクが取り上げられています。脚の使い方、アイソレーションなど、詳細はDVDに譲りますが、「音楽」によって引き出された動きが、「技術」よって増幅(或いは制御)され、「身体芸術」として完成する。社交ダンスだけでなく、たぶんどんなジャンルのダンスにも当てはまる昇華のプロセスが描かれていて、冒頭の問いかけから、この辺りが作品の白眉のように思います。
面白いレッスンというのは、表層のテクニックではなく、動きの起源に気づかされてくれるものです。

そのほか、膝や肩甲骨の使い方を解説したグループ1、「回転とは、止まること」という逆説から入って「回転の妙技」を披露するグループ3など、お二人の会話、掛け合いによって、深い技術を楽しく学べるのがこの作品の大きな特徴です。

イントロから最後の挨拶まで、全編を通して、エンターテイナーの森田銀河先生の面目躍如といった印象です。
ダンスを全く踊ったことがない方が見ても、自然に引き込まれてしまう魅力、やってみたいと思わせる力に満ちています。
「ルンバ」を扱った「新時代のベーシックの提案」と併せてご覧いただければ、一層興味が湧くでしょう。
(DVD制作担当)

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