【連載】NANAKO’s Café「第3回ゲスト:キャリアコンサルタント 福山真由美さん」
月刊ダンスビュウ
2025年9月号(7月27日発売)掲載
鴨生奈々子 かもう・ななこ
証券会社、広告代理店等の経験を活かし、不動産業界にて25年以上の経歴を持つ。取締役副社長を現在務める不動産会社の多角経営の一環として、個人で社交ダンススタジオをM&Aし社交ダンス業界を応援している。
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第3回「キャリアコンサルタント福山真由美さんと社交ダンスの魅力を語る」
【今月のゲスト】
福山真由美さん
Grace代表 関西電力入社後、秘書・広報を経て、学研ではプロダクトマネジャーとして企画、人材育成に携わる。ハイブランドや司法書士事務所などのキャリアをベースに現在は様々な業界で上質な接客接遇、即戦力のためのビジネスマナー研修や管理職育成で活躍中。国家資格キャリア・コンサルタント 著書に「ずるい美人」WAVE出版がある。
鴨生 今回は、これまでのダンサーさんではなく、社交ダンスを楽しむ「お客様の立場」から、ビジネスの場でもお互いに良い刺激を与え合える関係の福山真由美さんをお招きしました。まずは、真由美さんの現在のお仕事についてご紹介いただけますか。
福山 様々な企業でビジネスマナーや人材育成のためのコミュニケーションスキルなど、研修やコンサルに携わっています。
鴨生 お忙しいと思われる中で、6年前から社交ダンスを始めたとのことですが、これまでにダンスをやって良かったと思われることはどのようなことですか。
福山 ある程度の年齢になると自分発信や教えることが増えて、「教わること」が少なくなります。ダンスのレッスンを通じて教わる視点を持つことで、新たな気付きが増えました。これは謙虚さとか素直さとか、大人の教養に大切な要素だと実感しています。できなかったことが
できるようになる達成感も好きです。
鴨生 なるほど! 確かにそうですよね。
福山 仕事以外の趣味を持つことは、視野を広げることにも繋がり、多くのメリットがあると考えています。特に、社交ダンスを習い始めて思うのは、明らかに自分と向き合う時間が増えたことです。SNSなど多くの情報が溢れている世の中で、自分の姿勢や指先の動きに集中することは、とても有意義です。
鴨生 真由美さんは、姿勢の美しさはもちろんのこと、指先まで意識が行き届いているように感じられます。
福山 何より「素敵なドレスを着られる場所がある」というのは、励みになります。鮮やかな色やピカピカの石が自分のシワやたるみを吹き飛ばしてくれる。若いときよりも似合う気がします(笑)。うまく踊れるかはさておき、ライフスタイルにメリハリが出ますね。適度な緊張感、たるんだ身体と美容にもよいです。リフレッシュにもなり、仕事のパフォーマンスも上がるので一石二鳥です。
鴨生 メリットしかないですね。ぜひ周りの方に勧めていただきたいスポーツです!
福山 長く日本舞踊の名取として踊っていたのですが、社交ダンスでは相手の力を利用することや、お互いのパフォーマンスを活かすための配慮などを教わり、目から鱗の連続でした。つまり、一つの成果を出すために、様々なコミュニケーションを取るのがペアダンスなのだと。相手を信頼し、思いやりつつ、掛け算の成果を出すこと。踊っているうちに、凝り固まりつつある自分のエゴや考え癖にも気付けました。

社交ダンスからは「相手の力を利用することや、お互いのパフォーマンスを活かすための配慮」などを教わりました(福山さん)。
鴨生 社交ダンスは、自分自身を見つめ直し、ブラッシュアップできますよね。私も気付いていないだけで、人として少しずつ成長できているのかもしれません(笑)。
福山 「社交ダンス」という言葉に立ち返るとヒントがたくさんあると思います。これからの時代、たった1人で生きていくわけではないので、誰かと対話するための大人の教養として、コミュニケーションスキルも磨けるペアダンスは幅広い方に勧めたいです。私自身これからも細く長く続けようと考えています。この度は貴重な機会をありがとうございました!
鴨生 こちらこそ、ありがとうございました。今後もSNSなどを通じて、社交ダンスの素晴らしさをお互いに発信し続けていけたら嬉しいです。