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田中英和先生のワールドダンス

コラム&本誌企画

さらば2024。そして、行くぞ2025!

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 2024年の世相を表す「今年の漢字」はなんと再び「金」。日本漢字能力検定協会が2024年12月12日、京都市東山区の清水寺で発表したものですが、その理由は今年のパリオリンピック・パラリンピックでの日本人選手の金メダルラッシュ、佐渡金山の世界遺産登録など嬉しいニュースによるもの、一方で政治家の裏金問題や金の価格高騰など、現実的なお金の問題も大きなニュースとなりました。

 そんな中で、アメリカ大リーグ、ドジャースの大谷翔平選手の値千「金」の大活躍には完全脱帽ですね! 2025年もさらなる活躍を期待したいものです。

 近年はスポーツの国際イベントが開催されるとき、野球の世界だけでなく、陸上、体操、柔道、サッカーなどでも、日本人プレーヤーが大活躍を見せているのは本当に素晴らしいことです。

 今年のパリオリンピックで正式種目として初めて開催されたダンス種目「ブレイキン」が注目を浴びました。ヒップホップの世界では日本のレベルは以前から相当に高い評価を受けており、躍動感溢れるパフォーマンスには目を見張るものがありました。今や日本人ダンサーの身体能力は、過去に例を見ないほど高いレベルを見せているのです。

 私たちのボールルームダンスも、ダンススポーツ競技として世界的に非常に高いレベルで競技が繰り広げられています。まだ競技スポーツとしてはマイナーな分野ではありますが、世界が認める素晴らしいスポーツ競技です。日本でも世界に目を向けて果敢にチャレンジしている若いダンサーが増えつつあります。五月女光政・叡佳ペアや大西大晶・咲菜ペアは、今や日本を代表する素晴らしいダンサーに成長。彼らだけでなく、彼らを追う若い世代のダンサーたちのインプルーブの勢いも、加速の一途を辿っているように見えます。

 世界の檜舞台で大活躍するダンサーの出現は、今の日本スポーツ界の流れを見れば時間の問題のようにも思います。他のスポーツ同様、必ずや世界の壁を突き破るダンサーは出現するでしょう。これは、ダンスを愛する者すべての願いです。

 このダンススポーツの素晴らしいところは、世代別で競技があることで、例えばJBDFでは12歳以下のジュブナイル部門、16歳以下のジュニア部門を設けていますが、世界的には14歳以下、16歳以下、19歳以下など、競技年齢をさらに細分化し、少年少女たちの肉体的、精神的成長のスピードに即した競技の場が提供されています。そしてこのシステムは、若年層の競技人口を増やすことにも大いに貢献しているように思います。

 ボールルームダンスはカップルとしてのダンスではありますが、やはり個人個人のレベルアップが背景になければカップルとしても上達しません。今や世界常識となっている「シングルダンス」の競技が、世界的なレベルアップに貢献していることは疑いようのない事実です。まずは一人ひとりがフルパワーで踊る感覚を養うこと。それが将来世界で戦うために絶対に必要なベースとなるものです。日本でもカップルとしての競技だけでなく年齢別でのシングルダンス競技が繰り広げられる環境を整えていくべきでしょう。

 年代別競技という点では、35歳以上のシニア部門も非常に意味のあるものです。世界でも35歳以上、45歳以上、55歳以上などの年代別で競技会が開催されています。世界的にも年齢別に多くのダンサーたちがしのぎを削っており、そのレベルは年々向上しているのです。年齢別競技は、高齢者の健康維持にも大いに役立つものであり、全ての世代で楽しめる素晴らしいものだと言えます。

 さあ、いよいよ2025年を迎えます。10月にはWDC世界プロボールルーム&ラテンアメリカンダンス選手権(JBDF主催)が幕張メッセで開催されます。それは日本のダンス界に新たな勢いを生む素晴らしいチャンスでもあり、この大会に向けて、そして素晴らしい2025年になるよう、皆で協力して前向きに取り組んでいきましょう。

 今年も1年間、ご愛読いただきありがとうございました。また来年もよろしくお願いいたします。

(月刊ダンスビュウ2025年2月号掲載)

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プロフィール

  • 田中 英和

    生年月日:8月9日
    出身:広島県広島市出身
    経歴:1997年2月にアデール・プレストン選手とカップルを組み、5月の全英選手権で日本選手初の第3位表彰台に輝く。「ヒデ&アデール」の愛称で国内外の大会で活躍し、翌98年の全英選手権5位入賞を最後に現役を引退。以降、審査員、コーチャーとして後進の育成にあたっている。また、本誌でも、7年にわたって連載レッスン「ナチュラル・ダンシング」シリーズを執筆し、大好評を博した。
    田中英和ダンスワールド

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