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田中英和先生のワールドダンス

コラム&本誌企画

新たな発展へ向けて

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世界的なコロナに対する規制緩和は日本の水際対策のルールも段階的に緩和され、いよいよコロナ前とほぼ同等な自由な環境に近づきつつあります。2022年9月7日からは日本への帰国の際必要であった陰性証明の提示も、ワクチンの3回接種証明があれば不要。そして全ての国ではありませんが、近々、海外からの個人旅行の観光客もビザなしで日本に来られるようになるとの発表もありました。

全く規制のない英国をはじめとした諸外国への渡航や、それらの国々からの帰国も緩和されたのですから、この秋から冬にかけての日本でのイベントや、来年早々の海外でのイベントへも日本からの参加が増え、国際的な交流の場が多く見られるのではないでしょうか。コロナ禍による鎖国もようやく開国の時期を迎えたということになります。

さあ、ダンス界もいよいよ秋の競技会シーズン到来です。日本のトップダンサーたちも、すでに海外で研鑽を積み、海外での競技会にチャレンジするカップルも増えてきています。彼らは9月18日に先陣を切って開催される「JCFのギャラクシー」、24日・25日の両日、大阪で開催の「JBDF全日本選手権」。そして英国3大大会の一つ、英国ロイヤルアルバートホールでの「インターナショナル選手権」が10月13日、さらに25日には「WDOプロボールルーム世界選手権」がブラックプールタワーで開催されます。そして今秋の最後は、再び舞台を日本に戻し「統一全日本選手権」が11月3日、飛天で開催されピークを迎えることになります。

世界ではロシア、ウクライナのトップダンサーたちにとってはまだ先の見えない状況が続いており、コロナ禍以前の、そしてこの戦争以前と同じ状況で英国での3大大会にチャレンジすることも難しい状況です。一方、中国では帰国時の隔離期間などが随分と緩和されたとかで、英国に来ている選手も随分と増えています。中国国内で相当に訓練を積んだのでしょう、さらに強くレベルアップしたダンスを見せています。

その時代を牽引してきたチャンピオン、ファイナリストたちは、時間の経過と共にその顔ぶれが変わり、時代も移り変わっていきます。さらに最近では、ダンス競技会の形態にも変化が見られるようになってきました。スタンダード、ラテンに加え、アメリカンスムーズやアメリカンリズムといったセクションでのプロアマ競技会の併催が活発に行なわれるようになっています。

今やアメリカでは、一つのプロアマ選手権のエントリー数が1万を超えるほどの一大イベントとなっており、それが全米51州のどこかで毎週のように行なわれているというのですから、それはもう驚きの一言です。私にも来年2023年の4月下旬、マイアミで開催されるプロアマ選手権の情報が届いていますが、来年12回目を迎えるその大会も、かなり大きな規模での開催だと聞いています。

伝統を重んじる英国でも大きな変化が見られます。英国3大大会も来年は、プロアマ選手権の規模を大きくして併催することで、形態が大きく変わっていくようです。まず大会期間が長くなります。2023年1月の「UK 選手権」は1月第3週目の17日から22日まで、6日間開催となります。ライジングスター部門が初日の17日(火)で、以降2日目がプロスタンダードとアマラテン、3日目がプロラテンとアマスタンダードと続きますが、来年は4日目から6日目にスタンダード、ラテン、アメリカンスムースやリズムといったセクションでのプロアマ選手権を中心に、ジュブナイルから21歳以下まで、そして50歳以上のセクションも開催されることになっています。詳しくはこちらのサイトを参考にしてください。

https://uk-internationaldance.com/

また同様に、5月の「ブラックプールダンスフェスティバル」も、5月21日から6月2日まで、約2 週間の開催が発表されています。今や世界各地でとっても元気に開催されているプロアマ選手権。日本でも先の「日本インター」の初日がそうであったように、新たなダンス界発展のためのエネルギー源となっているのです。

将来的に世界最高峰のUKやブラックプールも、プロアマのセクションがメインになる日が来るのかもしれません。

(月刊ダンスビュウ2022年11月号掲載)

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プロフィール

  • 田中 英和

    生年月日:8月9日
    出身:広島県広島市出身
    経歴:1997年2月にアデール・プレストン選手とカップルを組み、5月の全英選手権で日本選手初の第3位表彰台に輝く。「ヒデ&アデール」の愛称で国内外の大会で活躍し、翌98年の全英選手権5位入賞を最後に現役を引退。以降、審査員、コーチャーとして後進の育成にあたっている。また、本誌でも、7年にわたって連載レッスン「ナチュラル・ダンシング」シリーズを執筆し、大好評を博した。
    田中英和ダンスワールド

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