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田中英和先生のワールドダンス

コラム&本誌企画

ワールドスーパースターズ

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8月12~14日の3日間、東京のロイヤルパークホテルで今年26回目を迎えた「ワールドスーパースターズ2016」が開催されました。元全日本チャンピオンの毛塚道雄先生、雅子先生ご夫妻の主催で、世界にも例のない国際色豊かなダンスフェスティバルとしてすっかり定着しており、今回も世界のトップスター12組を迎え、そして客席には中国、韓国、台湾、香港、シンガポールなどアジア近隣の国々からも本当にたくさんのダンスファンが集まり、会場は満杯。文字通り真の国際イベントとなりました。
今回は13日がアルナス&カチューシャ、マウリッツィオ&アンドラ、アンドレア&サラ、ディ・フィリッポ&ダーシャ、ドーメン&ナターシャの5組、そして14日がビクター&アナスタシア、リカルド&ユリア、バレリオ&モニカ、ニール&エカテリーナ、ヤンチャオ&イーリンの5組、総勢10組もの世界のスーパースターが招かれ、回を重ねるごとにレベルアップし続けるスーパーイベントなのです。
現在の世界最高レベルの素晴らしいダンスがさらに次のダンスを素晴らしいものにしていくのは、さすが競技選手の集まりです。各々のパフォーマンスに魂がこもり、マジにフルパワーで踊るダンスの連続は、世界の競技ダンサーが繰り広げるダンス絵巻そのもの、圧巻の一言に尽きます。

二組のレジェンド登場!

また、このフェスティバルには現役のトップだけでなく、往年のチャンピオンたちが〝レジェンド(伝説的人物)″として踊るシーンが見られるのも、このイベントをスペシャルなものにしている大きな側面です。今年のレジェンドはジョン・ウッド&アン・グリーブ組。エネルギッシュなクイックステップ、パワフルなタンゴ、そしてスーパークオリティのスローフォックストロット。私もUKや全英選手権前の練習会で当時のチャンピオンであるこのカップルの後を追いかけ、パワーやムーブメントの質を肌で感じながら、お手本として、そして目標として頑張ったものです。今回、このカップルのダンスを再び見ることができた幸せは、何ものにも代えがたい貴重な瞬間であり、会場に来ていた全ての人も同じ幸せを感じたのではないでしょうか。
司会役のマーカス・ヒルトンMBE氏もジョンのライバルで大接戦を演じたスーパースター。そして昨年のレジェンドで、1992年の全英でフォックストロットの1位を彼らからもぎ取ったアンドリュー・シンキンソン氏も姿を現し、雰囲気が最高潮に達したところでジョン&アンの登場。会場はやんやの大喝采! スタンディングオベーションの連続でした。
そして、もう一組のダンスも観客を興奮の絶頂に駆り立てました。昨年、全英8連覇を達成し引退表明、最近第一子に恵まれたばかりのマイケル・マリトウスキー&ジョアン・ルーニス組です。サンバ、チャチャチャと踊り、パワー、躍動感は昨年の現役引退時と変わらぬ最高レベルのパフォーマンス。最後のルンバでは感動のあまり時間を忘れてしまうほど。レジェンド2組と現役スーパースターの10組、総勢12組のパフォーマンスはまさに圧巻。ダンスに酔いしれるとはこういうことなんだと改めて実感した次第です。
来年2017年のレジェンドには、ラテンで一世を風靡したスラヴィック・クリクリビー&カリーナ・スマノフ組が決定しているとのこと。今も変わらぬスーパースター、天才的ダンサーによるダンスはさらなる興奮を呼ぶことでしょう。
さらに2020東京オリンピックの年には、オリンピックに負けないダンス絵巻を描き上げるべく、何やらスペシャルな企画を考えているとのこと。オリンピックの盛り上がりとともにこのダンスイベントも大いに盛り上がることでしょう。

リオ五輪を見て感じること

ところで今、リオでのオリンピックで、日本選手は様々なジャンルで素晴らしい成績を収めています。世界の強豪に競り勝つ勝負強さを、オリンピック日本代表は見せつけてくれています。体格的に劣っているなどという言い訳など、どこにも存在していません。
ダンス界でも、世界に肩を並べてダンスファンを魅了する日本人ダンサーの出現を待ち望んでいます。ゴールをどこに設定するかを明確にすれば自ずとするべきことは明白になるのです。「1%の才能と99%の努力」です。もっともっと素晴らしいダンスに触れて、もっともっと憧れて、もっともっと目標をクリアにして、もっともっとはまり込んで、もっともっと練習に明け暮れ、本当のもの、そして夢を追い求め続け、それを実現することを大いに楽しんで欲しいものです。

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プロフィール

  • 田中 英和

    生年月日:8月9日
    出身:広島県広島市出身
    経歴:1997年2月にアデール・プレストン選手とカップルを組み、5月の全英選手権で日本選手初の第3位表彰台に輝く。「ヒデ&アデール」の愛称で国内外の大会で活躍し、翌98年の全英選手権5位入賞を最後に現役を引退。以降、審査員、コーチャーとして後進の育成にあたっている。また、本誌でも、7年にわたって連載レッスン「ナチュラル・ダンシング」シリーズを執筆し、大好評を博した。
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